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「どのような残虐行為をしようと、フランス人の強さを打ち砕くことはできないだろう。貴様らがどこにいようと、世界中に散らばる我々が必ず見つけ出す。そして、かつてない規模の攻撃を行なうだろう。これは宣戦布告だ。すでに賽は投げられたのだ。首を洗って待つがいい。」

このほどパリを襲った許しがたい無差別殺人テロ事件が、どうやら「イスラム国(IS)」と対抗する国際的ハッカー集団の「アノニマス」を刺激してしまったようだ。ISの動きを封じ込めるためとして「大きなサイバー攻撃をしかける。覚悟せよ」とのメッセージを放ち、注目を集めている。

このほどYouTubeに1本の動画を投稿し、相変わらず大胆不敵なところをアピールした国際的ハッカー集団の「アノニマス(Anonymous)」。仏パリで自分たちとは敵対関係にある「イスラム国(IS)」が最悪なテロ事件を展開したことを受け、彼らに対してこのような宣戦布告をフランス語で行った。

「さぁ戦争の始まりだ、ISは覚悟して待っていろ。我々はかつてなかったほどの大規模なオペレーションでサイバー攻撃を仕掛ける。世界中の同志がお前たちを狩り、窮地に追い込む。食いついた獲物は決して離さないつもりだ。フランス人はお前らよりよほど強靭である。この残虐なテロ事件をきっかけにさらに強くなるであろう。」

彼らの自信の根拠はTwitterアカウントのリスト。風刺画が原因で今年1月にパリで起きた「シャルリー・エブド襲撃事件」をきっかけに、プロパガンダを展開していたイスラム過激派組織をしっかりと把握しているとしている。

決して褒めるには値しないものの、「アノニマス」のハッカーとしての実力は世界各地で証明済みである。たとえば日本では先月、中部国際空港と成田国際空港でHPのフライト情報が断続的に閲覧できなくなるなどの被害を受けた。いずれの空港も「アノニマス」から犯行声明が届いており、中部国際空港は主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を前に警戒態勢を強めていた中であったという。また株式会社KADOKAWAのIT情報サイト「ASCII.jp」も先月、「アノニマス」の攻撃を受けてしばらくアクセスできない状態に陥っていた。日本のイルカ漁に反対するためであったという。

アメリカでもそれは同様である。ミズーリ州の18歳の黒人青年が白人警官に射殺され、警官が不起訴処分となったことから大規模な抗議活動が起きた昨年の「ファーガソン事件」では、黒人たちを強く批判した白人至上主義組織「クー・クラックス・クラン(KKK)」をサイバー攻撃。やがてKKKのツイッターアカウントやウェブサイトを乗っ取り、「KKKを是認するサイトも全て全滅させる」と鼻息を荒くした。こんな「アノニマス」に恐れをなしたメンバーがKKKを脱退したことも報じられている。

「アノニマス」は国籍も正体も不明ですべて謎であるが、世の中を騒がせた大きな事件においては“弱きを助け強きをくじく”というカラーを前面に出していることは事実である。そんな彼らのサイバー攻撃でISにおける連携や活動に不具合が生じるのであれば、ありがたいと言わざるを得ない。だが彼らは早合点によりとんだミスを犯すことでも知られている。理想はこのような不気味なハッキング集団に頼ることなく、国際刑事警察機構のサイバー犯罪対策専門組織などが彼らを超える実力を備え、ISの通信ネットワークを一網打尽にすることではないだろうか。





やっちまえ。